おおきな木
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    評価:
    シェル・シルヴァスタイン,Shel Silverstein
    あすなろ書房
    ¥ 1,260
    (2010-09-02)

    この絵本を初めて知ったのは、大学4年生の夏だった。その頃、環境保護のボランティアをしており、環境関係の講座に熱心に通っていた。ある講座でアウトドアガイドが『おおきな木』の大型本を朗読してくれた。ちょうど社会に巣立とうとする僕の心境に大きく響いた。

    そして数年がたち、ぼくにも子どもができ、娘に絵本を読むようになった。もちろん、『おおきな木』は書棚にいつもあり、娘がこの絵本の世界を理解できる年齢になって、読み聞かせする日を楽しみにしている。

    昨年の絵本業界の最も大きな話題は、この『おおきな木』が村上春樹さんの翻訳で出版されたことだった。日本人で最もノーベル文学賞に近いと言われる村上春樹さんが出す絵本。そのニュースを知ったとき、ぼくの心もうわずった。発売前に絵本ナビで注文してしまったほど。出版されると、多くの書店で平積みにされて販売されていた。

    原題は『Giving tree』。忠実に訳せば『与える木』。内容的には「おおきい」というより「与える」の方が合っている。ぼくは、これまでは与えられることが多かった。でも、親になり、これからはgivingされる方ではなく、givingする側に立っている。そんな心境で読み返してみたら、この絵本の捉え方がまるで変わっていた。

    絵本は深い。年代を越えてさまざまな感情を呼び起こしてくれる。自分の変化に気づかせてくれる。
    あなたはこの木に似ているかもしれません。
    あなたはこの少年に似ているかもしれません。
    それともひょっとして、両方に似ているかもしれません。
    あなたは木であり、また少年であるかもしれません。
    あなたがこの物語の中に何を感じるかは、もちろんあなたの自由です。
    それをあえて言葉にする必要もありません。
    そのために物語というものがあるのです。
    物語は人の心を映す自然の鏡のようなものなのです。
    (村上春樹/訳者あとがきより)
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