おとうさんがおとうさんになった日
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     長野ヒデ子さんの絵本。『おかあさんがおかあさんになった日』の方がよく読まれていますが、こちらの『おとうさんがおとうさんになった日』も力作です。

    父親マインドを刺激されるところが大きくて、育児パパ達にもっと広まってくれたらいいなと素直に思える絵本です。

    物語は、三人目の出産を控えたお父さんが育児休暇を取るところからスタートします。職場の人たちが応援して始まるシチュエーションからして衝撃的かもしれません。

    そして、お産の支度をするなかで二人の子ども達から「お父さんはお母さんのように赤ちゃんを産んでいないのに、何故お父さんになったって分かったの?」と質問されて、二人の子どもが生まれた当時の心境を語ります。

    その回想シーンの言葉に、父親の実感が伝わってきて、とても好い感じです。また、出産にあたっての父親と母親の心境のちがいが見事に表れています。

    「おとうさんがおとうさんになる瞬間」は、まぶしくて、ふるえて、いつもの景色が輝いて見えて、なんだかくすぐったく、なんだか不思議な力が湧いてくる。

    それぞれの心境にいたく共感しました。ここまでお父さんたちの心のひだを引きだしてくれた長野ヒデ子さんの力量が凄いと感じます。父親たちにしっかりとインタビューされたのだろうな、と思いました。

    いま我が家には新生児がいますが(7月7日夜生まれの女の子)、赤ちゃんの絵がそっくりで、それもまた楽しい絵本でした。

    おとうさんはね、もうすぐうちで あかちゃんがうまれるから、きゅうかをとったんだよ。

    「ねえ、おとうさん」「なんだい」
    「おかあさんは、あかちゃんがうまれて おかあさんになったの?」「そうだよ」
    「じゃあ、おとうさんは、いつ おとうさんになったの?」

    「おとうさんは、どうしておとうさんになったって わかったの?」
    「おとうさんは あかちゃんうまないのに、どうして そうおもったの?」
    「おしえて、おしえて。おとうさんが おとうさんになった日のこと」

    もちろん、おにいちゃんが うまれた日が
    おとうさんが おとうさんになった日さ。

    あの日、おかあさんは まぶしかった。
    おとうさんが おとうさんになった日って、まぶしいんだ。

    「おとうさん、だっこしてください」って、
    はじめて「おとうさん」って よばれて だっこしたとき
    おとうさんになったんだ、って ふるえた。

    おとうさんが おとうさんになった日って、ふるえるんだ。

    おとうさんが おとうさんになった日って、
    いつものけしきが かがやいてみえるんだ。
     
    おとうさんが おとうさんになった日って、
    なんだかくすぐったいんだ。

    おとうさんが おとうさんになった日って、
    なんだか ふしぎなちからがわいてくるんだ。

    かわいい かわいい あかちゃん。
    あかちゃんがいると うれしいな。
    おとうさんは、もっと もっと おとうさんになった。
    おにいちゃんは、もっと おにいちゃんになった。
    あこちゃんは、おねえちゃんになった。

    あかちゃんがうまれて、うれしい日。

    | 02:06 | comments(0) | trackbacks(0) |
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    おおきな木
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      評価:
      シェル・シルヴァスタイン,Shel Silverstein
      あすなろ書房
      ¥ 1,260
      (2010-09-02)

      この絵本を初めて知ったのは、大学4年生の夏だった。その頃、環境保護のボランティアをしており、環境関係の講座に熱心に通っていた。ある講座でアウトドアガイドが『おおきな木』の大型本を朗読してくれた。ちょうど社会に巣立とうとする僕の心境に大きく響いた。

      そして数年がたち、ぼくにも子どもができ、娘に絵本を読むようになった。もちろん、『おおきな木』は書棚にいつもあり、娘がこの絵本の世界を理解できる年齢になって、読み聞かせする日を楽しみにしている。

      昨年の絵本業界の最も大きな話題は、この『おおきな木』が村上春樹さんの翻訳で出版されたことだった。日本人で最もノーベル文学賞に近いと言われる村上春樹さんが出す絵本。そのニュースを知ったとき、ぼくの心もうわずった。発売前に絵本ナビで注文してしまったほど。出版されると、多くの書店で平積みにされて販売されていた。

      原題は『Giving tree』。忠実に訳せば『与える木』。内容的には「おおきい」というより「与える」の方が合っている。ぼくは、これまでは与えられることが多かった。でも、親になり、これからはgivingされる方ではなく、givingする側に立っている。そんな心境で読み返してみたら、この絵本の捉え方がまるで変わっていた。

      絵本は深い。年代を越えてさまざまな感情を呼び起こしてくれる。自分の変化に気づかせてくれる。
      あなたはこの木に似ているかもしれません。
      あなたはこの少年に似ているかもしれません。
      それともひょっとして、両方に似ているかもしれません。
      あなたは木であり、また少年であるかもしれません。
      あなたがこの物語の中に何を感じるかは、もちろんあなたの自由です。
      それをあえて言葉にする必要もありません。
      そのために物語というものがあるのです。
      物語は人の心を映す自然の鏡のようなものなのです。
      (村上春樹/訳者あとがきより)
      | 06:44 | comments(0) | trackbacks(0) |
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      ちょっとだけ
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        この絵本は、二人目の子どもが生まれたときのシミュレーションだ。赤ちゃんが生まれたときの上の子の心境を、あますところなく伝えている。

        パパ向けというより、子ども向けというより、ママ向けの絵本ではある。ある絵本講座で『ちょっとだけ』を紹介したら、絵本に詳しいスタッフのママから「パパに読み聞かせされたくない絵本No.1!」の称号を頂戴した。「自分の育児を責められているような気がするから」というからなのだそうだ。

        それでも、パパにも読んでもらいたい絵本だ。きっと、子ども一所懸命に健気に生きている様を感じて、わが子への愛情が増すことだろう。

        一点だけ、注文をつけたい。
        絵本に父親がまったく登場しない!!

        でも、たぶん、この絵本に出てくるやさしいお母さんはパートナーから愛情をしっかり受けているからこそ、子どもに愛情豊かに接することができるのだろう。そう思うことにした。いずれ、パパ版の『ちょっとだけ』が制作されることを求む!

        ところで、ぼくも今年、二児の父になる。いよいよ、レインボー(虹)のパパだ。いま3歳の娘から、本当にたくさんのことを学ばせてもらった。あかちゃんがやってきたとき、きっと、また多くのことを学ぶだろう。

        絵本『ちょっとだけ』の世界を知ったことで、赤ちゃんが生まれたら長女に対して沢山の愛情をさらにかけて関わっていこうと決めた。

        (絵本ナビの紹介ページより)

        なっちゃんの「ちょっとだけ」って、何だろう?

        なっちゃんのおうちに、あかちゃんがやってきたのです。
        ママのスカートを「ちょっとだけ」つまんで、
        牛乳をコップにひとりで「ちょっとだけ」入れられて、
        ひとりで遊んだブランコだって「ちょっとだけ」ゆれて・・・。
        なっちゃんは、ちょっとずつちょっとずつ頑張って「おねえちゃん」になっている様です。

        でも・・・ね。
        愛情たっぷりの最後のシーン。
        ママ達は、涙なしでは見られないんじゃないかしら。

        健気ななっちゃん。
        大きな優しさで包み込むママ。
        そして可愛いあかちゃん。

        作者が3人の子どもを持つママ、というだけあって、子どもへの愛情でいっぱいのストーリーです。背景がほとんどない、シンプルな絵も、子どもを温かく見守る視線で、子どもって、本当にかわいい!子育てって、本当に素敵なことなんだ!まっすぐに訴えかけてきます。どんな立場の人だって幸せな気分になる絵本です。

        これからママになる方へ、是非プレゼントしたくなる1冊ですね。


        ちょっとだけ ちょっとだけ
        作:瀧村有子 / 絵:鈴木 永子 / 出版社:福音館書店絵本ナビ
        | 21:21 | comments(1) | trackbacks(0) |
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